センター長ごあいさつ
こどもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)とは
環境省主導で日本全国10万人のお母さんと赤ちゃんにご参加いただき、環境変化が子どもの健康にどのような影響を与えているかを研究している大規模な調査です。赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から現在に至るまで、質問票によるアンケート調査や、実際に対面でお会いしてお子さんの成長や発達、血液の状態などを確認する調査を続けてきました。その結果、 化学物質の曝露や生活環境などの環境要因が子どもたちの成長・発達にさまざまな影響を与えていることが明らかになって参りました。現在までに、全国のユニットセンターで400本を越える論文が成果として発表されてきました。宮城ユニットセンターでも参加者の皆さまから頂いた質問票調査や対面での調査の結果から、2023年度は、2024年2月時点で12本の論文を成果として発表したほか、学会や誌面、セミナーなどさまざまな形で社会に還元してまいりました。
エコチル調査によって明らかになってきている、子どもたちの成長・発達に影響を与える環境要因は、リスク管理部局への情報提供を通じ、自主的取組や、化学物質規制の審査基準への反映、環境基準(水質、土壌)の変更等、適切なリスク管理体制の構築へとつながります。また、近年では、スマートフォンを始めとするメディアへの過剰な曝露も、子どもたちの発達を阻害しうる新たな環境要因として問題になってきており、エコチル調査でも研究を進めています。
このような背景から、エコチル調査では開始時には13歳までを追跡期間としておりましたが、多くの貴重なデータの解析が進んでいる現状から、成人期を越えた以降も継続する方針に変更されました。このことによって、未来の子供たちが成長し、 安心して子供を育てることが出来る環境を作って行くため、エコチル調査へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

東北大学大学院医学系研究科
環境遺伝医学総合研究センター
エコチル調査宮城ユニットセンター
センター長
八重樫 伸生
ユニットセンター・サブセンター一覧
- 宮城ユニットセンター(仙台市青葉区)
- 大崎サブセンター(大崎市古川)
- 栗原サブセンター(栗原市築館)
- 石巻サブセンター(石巻市恵み野)
- 気仙沼サブセンター(気仙沼市本郷)
- 登米検査会場(登米市迫町)
協力医療機関
仙台地域
東北大学病院、仙台赤十字病院、国立病院機構仙台医療センター、仙台市立病院、宮城県立こども病院、東北公済病院、仙台ARTクリニック(吉田レディースクリニック)、S・Sレディースクリニック
広域大崎・栗原、登米圏地域
大崎市民病院、関井レディースクリニック、わんや産婦人科医院、ちか子女性クリニック(中川産婦人科)、登米市民病院、磐井病院、一関病院
広域石巻圏地域
石巻赤十字病院、齋藤産婦人科医院、あべクリニック産科婦人科、中山こどもクリニック、阿部こどもクリニック
気仙沼・南三陸町地域
気仙沼市立病院、森産婦人科医院、遠藤産婦人科
岩沼・亘理・山元町地域
スズキ記念病院
医学的検査学童期検査でご協力いただいている医療機関及び自治体施設
仙台地域
宮城県立こども病院、東北医科薬科大学、はちまんこどもクリニック
広域大崎・栗原、登米圏地域
大崎市民病院、ありま小児科医院、まつうら内科小児科クリニック、栗原中央病院、小出医院、八木小児科医院、登米市民病院、fプラザ(古川保健福祉センター)
広域石巻圏地域
石巻赤十字病院、おおば小児クリニック、佐久間眼科小児科医院
気仙沼・南三陸町地域
気仙沼市立病院、三条小児科医院
岩沼・亘理・山元町地域
いたのこどもクリニック、亘理町保健福祉センター